中小企業だからこそDXが必要な理由(前編)

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近年、デジタルトランスフォーメーション(DX)という経営手法が世の中を席巻しています。
そもそも、DXとは何か?
私達企業にとってどんなメリットやデメリットがあるのか?
今回は、DXの定義、大企業での現状、中小企業の視点に立った取り組みの意義、メリット・デメリットなどについて、見ていきましょう。

そもそもDXとは

DXの考え方

DXとは、スウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が2004年に唱えた「デジタル技術によって人々の生活に変革を起こす」という考え方です。
単なるIT化とは違い、既存のビジネスモデルを破壊(デジタル・ディスラプション)するほどの変革をもたらす技術やビジネスモデルを指します。
広い意味でDXには、「ビジネスモデルそのものを生み出すタイプ」と、「ビジネスプロセスを劇的に効率化させるタイプ」があります。

大企業のDXに対する取り組みの現状

独立行政法人情報処理推進機構の「デジタル・トランスフォーメーション推進人材の機能と役割のあり方に関する調査」(東証一部企業1,000社調査)によると、AIやIoT等のデジタル技術の普及による自社への影響を尋ねたところ、約6割の企業が「自社の優位性や競争力の低下」と答えています。
一方、DXという言葉の認知度に関する質問に対しては、「社内で使用している」という企業は約3分の1に留まっています。また、DXに取り組んでいる企業に対して、その具体的な取り組み内容を質問したところ、最も多い取り組みは「業務の効率化による生産性の向上」が78.3%であり、DXの本来の目的である「新規製品・サービスの創出」は47.8%と半数程度となっています。
結論として、大企業においては、危機感が強まっているものの、DXに対する認識は遅れており、その実施内容も、未だ「ビジネス革新」にまでは至っていないようです。
取り組み次第では、中小企業にとって充分にチャンスがあると言えます。

【参考】独立行政法人情報処理推進機構 社会基盤センター
「デジタル・トランスフォーメーション推進人材の機能と役割のあり方に関する調査」https://www.ipa.go.jp/ikc/reports/20190412.html

DXは中小企業の方が取り組みやすい

では、中小企業にとって、DXとは本当に取り組めるものなのでしょうか?
二つの視点から考えてみます。

中小企業だからこそメリットを見出しやすい

中小企業は組織がシンプルで、事業も単一の場合が多く、DXが導入しやすい状態にあると言えます。事業内容に直結できるDXを開発あるいは利用できた場合、収益の急拡大や劇的なコストダウンが見込めます。

小回りが利く中小企業

大企業はいわば巨大な船です。意思決定して戦略方向を変えるのは至難の業です。さらに、大企業は、政府の方針とも深いつながりがあり、今現在の業界ごとの常識や規制を劇的に変革することなど、立場的にできません。
つまり、DXには革命的なビジネスチャンスがあるにも関わらず、意外にも大企業が思い切った導入を出来ずに二の足を踏んでいるという現状があります。
そこに、機動性に強みを発揮できる中小企業のチャンスが生まれているわけです。

DX導入におけるメリットは?

中小企業において、DX導入はどんなメリットをもたらすのでしょうか?

新たな収益源の創出

ビジネスモデルを生み出すタイプのDXに成功した場合、短期間に新たな収益源を得ることになります。製品のライフサイクルが超短命化している現代、有望な収益源が増えることは、全ての企業にとって喉から手が出るほど必要なものでしょう。

画期的な業務効率化

従来、「現地に行かなければ出来ない」「紙や印鑑が必要」「熟練した技術が必要」といった従来型のビジネスプロセスが、クラウドやIoT、フィンテック、VRやAR、AIなどを活用して、劇的に効率化が出来ます。

革新的風土の誕生

DXを導入した経験は、企業にとって、「有効な仕組みを迅速に導入する」という考え方を植え付けます。そのことは、既存の業界の常識や規制に縛られない、斬新な企業風土を生んでいくことでしょう。

DX導入におけるデメリットは?

DXはその導入において、いくつかのデメリットもあります。

経営層の理解不足

DXはその重要性から、先進的な企業は、どんどん導入が始まっています。特にグローバル企業においては、DX導入役を担う、専任のCDO(Chief Digital Officer/Chief Data Officer:最高デジタル責任者/最高データ責任者)という役職を設置する企業が増えています。

その一方、独立行政法人情報処理推進機構が2020年に調査した「デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進に向けた企業とIT人材の実態調査」によると、ITユーザー企業のうち、「ITに理解がある経営者が70%以上を占める企業の25%が新製品・サービスの創出に成功している」のに対して、「ITに理解がある経営者が20%以下の企業の場合、新製品・サービスの創出に成功している企業が僅か3.1%」となっています。

経営層の知識や理解が、DXの成功を左右しています。

【参考】独立行政法人情報処理推進機構 「デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進に向けた企業とIT人材の実態調査」
https://www.ipa.go.jp/files/000082054.pdf?

既存業界での軋轢

大企業から仕事を貰っているような下請分業構造の産業の場合や、規制が厳しい業界では、新たなビジネスモデルを作ることによって、既存の業界や行政から強いプレッシャーを受ける可能性があります。

システム開発人材の不足

DXにはシステム開発力が必須ですが、中小企業においては自社内に開発できる人材が乏しいのが現状です。

まとめ

DXの意味と中小企業にとっての取り組みの意義や、メリット・デメリットについて、みてきましたが、いかがだったでしょうか?
まさに、中小企業だからこそ、その機動性を活かしたDXへの取り組みが、経営革新を生むチャンスになっていることをご理解いただけたのではないでしょうか?
DXは、新たなビジネスモデルの創出や、画期的なビジネスプロセスの効率化など、企業にとって魅力度が高い経営手法です。大企業や中堅企業が足踏み状態の今こそ、トライを始めるチャンスなのではないでしょうか?

次回の記事(後編)では、DX導入の課題やポイント、弊社が提供するDXの具体的事例である「電子請求書」や「電子給与明細」、「リモートワークを支援するアウトソーシング手法」などについてご紹介します。

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