最近よく聞く「給与前払いサービス」とは、どのような仕組みなのでしょうか?
利用することで、「アルバイトの応募が増える」「定着率が高まる」などのメリットがあり、他社との差別化も出来るようです。採用や給与担当者としては、気になるサービスですね。この記事では、「給与前払いサービス」について、その仕組み・メリットを詳しく解説していきます。
給与前払いサービスとは
そもそも、「給与前払いサービス」とは、どんなものなのでしょうか?
給与は通常、締日と支払日が決まっています。そのため、支払日にならないと給与は受け取れませんが、従業員が申請することにより、支払日よりも前に申請額が従業員の口座に振り込まれるというサービスです。
この、締日と支払日の間の期間が長いと、従業員は冠婚葬祭や旅行や引越し費用など、急な出費に困ることが多いものです。特にアルバイトやパート従業員は、この期間のお金のリスクを避けるために、支払日の違う職場を掛け持ちしたりしています。この「給与前払いサービス」は、働く人にとって潜在的にニーズの高いサービスなのです。
当社サービスである「エスプリ」の場合は、給与計算を翌日に行う仕組みのため、働いた分の80%を上限として、申請により引き出すことができる仕組みになっています。
給与前払いサービスの方式
給与前払いサービスを実施するためには、まず、どうやって従業員に前払い給与を支払うかということがテーマになります。具体的に言うと、どうやってそのお金を準備するかということになります。その資金を準備する方法は、大きく分けて「立替方式」と「振込方式」があります。それぞれの方法の特徴を見ていきましょう。
立替方式
前払い給与の資金を、サービス提供業者が立て替える方式です。サービス提供業者が一時的にせよ資金を立て替えて、手数料を加えて企業に請求した場合、立て替え金が「貸金」となり、この手数料が「金利」になる可能性が指摘されています。
つまり、資金を立て替えてもらっているということは、サービス提供業者からお金を借りているのと実質的に同じです。貸金業を営むには貸金業法の登録が必要ですが、この登録がないサービス提供業者が立て替えているとすると、貸金業法違反になる可能性があります。
また、お金の貸し付けに対して借主からお金を受け取ると、利息制限法により、理由を問わずそれは金利となり、利率が制限されます。貸金業者としての登録があるとしても、給与の前払いだと数日程度の貸付になりますから、年利に変換すると大きな利率になり、利息制限法違反の恐れが出てきます。
【追記】
2020年6月29日に経済産業省より人材紹介会社が給与の振込代行サービスを行うにあたり、労働基準法24条に違反するものではないという回答が得られました。
https://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200629003/20200629003.html
振込方式
前払い給与の資金を企業からサービス提供業者に預けておき、サービス提供業者から従業員に振り込む方式です。
しかし、この方式にも課題があります。企業から資金を預かったり、企業口座から資金を引き出して従業員の口座に振り込んだりする行為は、銀行の仕事であり、資格がないサービス提供業者が自社の名前で行うと、銀行法違反になります。
そのため、給与前払いサービス提供業者は、銀行と提携して、資金の預託や振り込みを依頼するか、資金移動業(金融機関以外でも100万円以下の資金移動が出来る資格)の登録をするなどをする必要があります。
当社サービスである「エスプリプラス」の場合は、振込方式ですが、銀行の振込システムとAPIで連携しているシステム提供形式であるため、法的に問題ありません。
給与前払いサービスの仕組み
給与前払いサービスの仕組みには、「アウトソーシング形式」と「システム提供形式」があります。それぞれの特徴について見ていきましょう。
アウトソーシング形式
給与前払いサービスを人的作業で対応する方法です。人手を使って処理する方法なので、処理時間がかかります。また、企業側にアウトソーシング事業者との窓口が必要になります。導入企業担当者の業務負担が増えることが考えられます。
システム提供形式
給与前払いサービスにコンピュータシステムを使い、自動化する方式です。当社の場合は、銀行のモアタイムシステムとのシステム連携によるシステム提供形式でサービスを行っています。そのため、24時間365日リアルタイムで振込みができます。導入企業にとっても、従業員にとってもメリットのあるシステムですね。
給与前払いサービスのメリット
給与前払いサービスを導入すると、次のようなメリットがあります。
他社と求人を差別化できて応募数を増やすことできる
最近のアルバイト・パート従業員には、給与の日払い志向が高まっています。従業員の中でも、アルバイトやパートは重要な戦力ですが、時給を上げても中々集められず苦労している採用担当者は多いものです。給与前払いサービスを募集のメリットとしてPRすることにより、募集増加に直結します。
従業員への福利厚生として導入することができる
多くの従業員は、お金のことで多かれ少なかれ悩みを持っています。お金に困ったからといってキャッシングや消費者金融を利用すると、一層生活は困窮していきます。自分が働いた分から必要な時に必要な資金が得られれば、お金の心配は少なくなり、安心して働くことが出来るようになります。そういった意味では、従業員に対する福利厚生の大きなポイントになります。
定着率が向上する
自分の働いた分の給与がいつでも受け取れる仕組みがあると、支払日を気にせず働くことが出来ます。複数の職場を掛け持ちする必要もなくなります。多くの報酬が必要であれば、その企業でのシフトも自ずと増やしていくでしょう。その結果、従業員の労働意欲が高まり、定着率が向上します。
給与前払いサービスを選ぶときの注意点
給与前払いサービスを導入する際は、以下のようなポイントに気を付けながら選定していくと良いでしょう。
導入企業の運用コストの負担があるかどうか
導入企業に対しては、運用コストが発生する場合も、発生しない場合もあります。また、発生する場合、月々固定の場合と、給与前払いサービスが発生した量に応じた従量制の料金の場合もあります。現在の自社の人的な業務も含め、投資対効果を考えて導入を検討すべきです。
従業員が負担する手数料が安いかどうか
あまり従業員の負担が大きいと、本来の福利厚生という目的が達成できません。特に申請額に対して大きなパーセンテージを課すと、従業員から「金利」を徴収するというイメージになり、本末転倒です。従業員の負担は、出来るだけ安いことが好ましいでしょう。出来れば低価格で定額というのが理想です。
銀行との連携や許認可について確認
給与前払いサービスを提供する事業者は、法的に問題ない企業を選びましょう。最近は、給与ファクタリングと混同する方もおられるようですので要注意です。また、銀行法に反しないように資金の預託や移動は銀行と提携しているかどうかも大事なチェックポイントです。どちらにせよ、明確なサービス説明がある企業が安心できます。
勤怠データをどのように連携させるか確認
給与の前払いを行うためには、対象の期間の給与計算が終わっていなくてはなりません。その前提となるのが、勤怠データの取得です。給与計算担当者に負担が少なく、スムーズに勤怠データの取得と給与計算が出来ることが重要です。
前払いされた給与の残額がどのように支払われるか
給与の前払いが実行された後、残りの給与を再計算し、控除後の正規の給与がきちんと支払われる仕組みが必要です。その作業が正確に行われないと、従業員からの信頼が、大きく損なわれます。しかも、その仕組みが給与担当者の手作業ではなく、自動化できていることがポイントです。
給与前払いシステム「エスプリプラス」のご紹介
給与前払いサービスの仕組みやメリットについてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?給与の前払いが従業員にとって福利厚生となり、そのことが採用活動や定着に効果的であることがお分かりいただけたと思います。
そこで、当社給与前払いシステム「エスプリプラス」をご紹介します。
当社では、「従業員の手数料負担と導入企業の作業負担を最小化する給与前払いシステム」を提供しています。その特徴は以下の通りです。
料金体系
初期導入費用は必要ありません。給与前払い1申請につき50円という業界最安値の手数料です。
サービスの仕組み
当社の給与前払いサービス「エスプリプラス」は、セブン銀行のリアルタイム振込とAPI連携することにより24時間365日申請後即時振込をすることができます。 導入企業様は、セブン銀行の振込用口座をご用意いただき、必要額を振り込んでいただく流れになります
当社の人材サービス「ワーカーズプロ」をご利用いただいているお客様は、無料でお使いいただけます。 人材サービスをご利用でないお客様は、勤怠データが必要となりますので事前にお打合せが必要となりますのでお気軽にご相談ください。
エスプリプラスサービスページ
https://sysclick.net/spreplus.html